冷静と情熱のあいだ
今月の読書は、冷静と情熱の間にしました。
これは、かなり昔に一回、図書館で借りて読んだような気がするんだけど、今回改めて文庫で買って読んでみました。
結果、全然内容覚えてませんでした!
いやー、面白かった!買ってよかったなぁー。
これは、辻仁成との合作なんだけど、今回は江國香織の方を読みました。
元々江國香織が好きなので。辻仁成は読んだことないっていうか、ミポリンの元旦那というイメージしかありません。でも江國香織と一緒に仕事してるということは、なかなか素敵な本を書くのでしょう。今度、読んでみたいと思います。
江國香織版の感想ですが、面白かったし、イタリアに行ってみたいな、と思いました!(小学生並みの感想)
とにかく江國香織の本は、特にヤマもなくオチもなくぼーっと過ぎ去っていくというイメージを自分は持っているのですが、これも同じでした。
主人公は、日本人の両親の元に生まれたけど、イタリア育ちの日本人、あおい。
大学4年間だけは、日本で過ごしました。そこで知り合ったのが阿形順正という同じくアメリカ育ちの帰国子女の日本人青年。
めっっちゃ濃厚恋人タイムを過ごしますが、あおいの妊娠発覚、勝手に中絶が原因で別れてしまいます。(順正が妊娠を知ったのは中絶後)
傷心のあおいは、イタリアに帰り、アメリカ人の恋人と同棲。そこで幸せに過ごしながらも、順正のことは全然忘れられず、30歳の誕生日に一緒にフェレンツェのなんとかっていう建物に登ろう!という約束を忘れられずにいます。
で、すったもんだあった挙句、あおいはアメリカ人と別れてなんとかという建物に1人で行ってみます。すると、あ、あの後ろ姿は!!順正!!!!
というのがストーリー及び結末です。
イタリアのフェレンツェじゃなくて、フィレンツェでした。カタカナ難しいよ。
これはお話だから、オシャレで素敵なんだけど、実際、あおいみたいな女性は超絶めんどくさいと、日本人男性は思うでしょうね。
まず、それとなく不満そうな顔をするんだけど口には絶対に出さない。
アメリカ人の恋人、マーブ(ホントは、ウに濁点。カタカナ難しいよ。)と少し喧嘩するにしても、あおいはほぼおし黙る。おし黙る。おし黙る。
ちょっとなんか言ってやりなよ、可哀想だよ!と読んでて何度思ったことか。結局、あの優しいマーブがファックとか呟く自体になったんじゃないの。喧嘩のとき、人の話を聞かないでワーワー言いすぎもムカつくけど、黙るのはそれ以上にファックですね、気をつけよう。
あと、あおいがめんどくさいところは、常に自分に酔っているところかな。マーブがどこへ連れ出しても何をプレゼントしても、あおいは順正が忘れられないので、全然楽しそうにしないでヒッソリ笑う程度に留めているわけ。
マーブにしたら、なんだよおおおもおおおってかんじなんだけど、マーブ優しいからそういうとこは悲しい顔するだけなんだよね。で、あおいは、またマーブを悲しい顔させてしまった、ソーリィマーブ、みたいなね。またそこで酔うんですか、っていうね。
ちなみに、映像化してるんだけど、あおいの役は、ケリーチャンが演じてます。に、に、日本人じゃない……!!
でも、あれだけ美人であれば、あおいがあんなに自分に酔ってても、まぁ絵になるっていうか許せるね、美人だから仕方ないみたいな。
むしろあれがその辺の没個性ってかんじの日本人女性だったら、マーブももっとブチ切れてもいいんじゃないですかね。
ちなみに、阿形順正は誰が演じたかというと、竹野内豊!!!!
ナイス!ナイスキャスティング!
キャラクター的には圧倒的にマーブのがいい奴なんだけど、順正が竹野内豊と聞いただけで、順正のほうが好きになってしまう!
あおいが散々ふりまわした挙句、あっさり順正に乗り換えたのも、納得。しょうがないよ、竹野内豊だもん、マーブ、そこはしょうがないよ、だって、竹野内豊だもん。
友達の崇は、ユースケサンタマリア。
あーいいね、いいキャスティング!ぴったりだよ、背の高さ以外。
まあ、映画は見てないんだけどね。
でも、結局、一気に読めるほど魅力のあるとても面白い話でした。
結末がハッピーエンドなのかどうか、よく分からんってかんじなんだけど、あおい特有の人の話を聞かないで酔いしれて不幸エンドに突っ走っていく雰囲気がでてたので。
でも辻仁成のほうだと、その辺ちょっと詳しく書かれてて、ハッピーエンドっぽいかんじらしい。
よかった!やっぱりハッピーエンドじゃないとね。
まあ、私的にはあそこで急にマーブに戻っても面白いと思うけどね。
やっぱ職業的にマーブのが安定してるから、アメリカ行くわ!とかいって。